遠隔点呼とは

貸切バスなどの運送業者が、運転手と運行管理者が物理的に離れた場所にいても、ICT技術を活用して乗務前や乗務後の点呼(健康状態確認、アルコールチェック、運行指示の伝達など)を行う制度です。
2022年4月から国土交通省の制度として導入され、一定の要件を満たす機器やシステムを用いて遠隔地間で実施されます。貸切バス事業者においては、2024年4月1日から運輸規則の改正により、遠隔地にいる運転手との点呼は録音記録(動画録画が基本だが、遠隔の場合は電話の音声録音)が義務付けられ、安全管理の強化が図られています。
本ページでは、あさレポを活用して遠隔点呼を実現するために必要な要件のチェックリストの内容と、対応するあさレポ機能について解説します。
※本ページの情報は2025年9月1日時点のものです。
遠隔点呼の申請

遠隔点呼を貸切バスなどで実施するには、実施予定日の10日前までに管轄の運輸支局長等に「遠隔点呼の実施に係る届出書」を提出する必要があります。届出に必要な書類等について以下に記述します。
- 遠隔点呼の実施に係る届出書
- 遵守要件を守る宣誓
- 遠隔点呼に使用する機器・システムの性能や機能を示すパンフレットや資料
- 機器配置状況が分かる写真など
- 別法人間での実施の場合は、完全子会社等の関係を証明する事業報告書の写し
申請は営業所ごとに行い、実施側と被実施側双方の営業所の管轄運輸支局に提出が必要な場合もあります。変更や終了時にも届出が求められます。2023年の改正で承認審査は不要となり、届出による簡素な手続きで導入可能となっています。
遠隔点呼の実施に係る届出書
遠隔点呼の実施時は、営業所を管轄する運輸支局へ実施届出を提出する必要があります
届出書式は各管轄の運輸支局にご確認ください
一例として遠隔点呼に関する情報を記載したURLを公開している国土交通省四国運輸局のURLをご案内します
国土交通省 四国運輸局 各種点呼の届出(2026/08/24時点のURL)https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/soshiki/gijyutsu/tenko.html
この届出書内で遵守要件を守る旨を宣誓(書式内にチェック)する必要があります
届出書の記述内容と添付資料等
遠隔点呼の申請書に記載を求められる主な項目は以下の通りです
- 申請日付
- 提出先(運輸局・運輸支局長宛)
- 事業者の住所
- 事業者の氏名または名称
- 代表者氏名
- 担当者氏名(連絡先)
- 電話番号およびメールアドレス(連絡先)
- 遠隔点呼を行う自動車運送事業の種類(一般貸切など)
- 遠隔点呼の実施形態(営業所間、営業所-車庫間、グループ企業間など)
- 実施または被実施の営業所・車庫の名称と所在地
- 使用する点呼機器の名称・型式
- 遠隔点呼の開始予定日
- 添付書類(点呼機器の仕様書や性能資料、グループ企業証明書、適合確認宣誓書など)
遠隔点呼の実施で満たすべき要件
遠隔点呼の実施時に求められる要件は大きく分けて以下の3つに分けられます。
1. 機器・システムが満たすべき要件
-
1. 遠隔点呼を行う運行管理者又は補助者(以下「運行管理者等」という。)が次に掲げる事項について、 映像と音声の送受信により通話をすることができる方法によって、随時明瞭に確認できる機能を有すること
イ 運転者等の顔の表情
ロ 運転者等の全身
ハ 運転者の酒気帯びの有無
ニ 運転者の疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
- 2. 運転者が行うアルコール検知器による測定の結果検知された呼気中のアルコールの有無又はその濃度を自動的に記録及び保存するとともに、遠隔点呼を行う運行管理者等が当該測定結果を直ちに確認できる機能を有すること
- 3. 遠隔点呼を行う運行管理者等及び遠隔点呼を受ける運転者等について、生体認証符号等(個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した符号その他の申請を行う者を認証するための符号をいう。以下同じ。)を使用する方法により確実に個人を識別する機能を有すること
-
4. 次のイからトまでに掲げる事項が遠隔点呼実施地点間で共有され、当該事項について遠隔点呼時に遠隔点呼を行う運行管理者等が確認できる機能を有すること。
イ 運転者等の日常の健康状態
ロ 運転者等の労働時間
ハ 運転者等に対する指導監督の記録
ニ 運行に要する携行品(以下単に「携行品」という。)
ホ 乗務員等台帳の内容
ヘ 運転者等に対する過去の点呼記録
ト 運行に使用する事業用自動車の整備状況
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- イ:体調記録(運転日報)・ビデオ点呼
- ロ:※運行管理サービス等をご利用ください
- ハ:指示事項・備考(記録履歴) ※または運行管理サービス等をご利用ください
- ニ:ビデオ点呼(携行品所持を点呼時に確認)
- ホ:※運行管理サービス等をご利用ください
- へ:記録履歴
- ト:車両点検記録(運転日報) ※または運行管理サービス等をご利用ください
- 5.点呼を行う運行管理者等が、遠隔点呼を受ける運転者の疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無を、平常時と比較して確認できる機能を有すること
- 6. 点呼を行う運行管理者等が、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四十七条の二第一項及び第二項の規定による点検の結果を確認できる機能を有すること
- 7. 遠隔点呼を行う運行管理者等が、遠隔点呼を受ける運転者等に伝達すべき事項を確認できる機能を有すること
-
8. 遠隔点呼を受けた運転者等ごとに、次のイからニまでに掲げる事項を電磁的方法により記録し、遠隔点呼実施地点間で共有するとともに、その記録を一年間保存する機能を有すること
イ 業務前の遠隔点呼に係る事項
(1)遠隔点呼を行った者の氏名
(2)遠隔点呼を受けた運転者等の氏名
(3)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる記号、番号等
(4)遠隔点呼の日時
(5)点呼の方法
(6)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器による測定結果及び酒気帯びの有無
(7)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器使用時の静止画又は動画
(8)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者の疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無についての確認の結果
(9)道路運送車両法第四十七条の二第一項及び第二項の規定による点検の結果
(10)特定自動運行保安員にあっては、特定自動運行事業用自動車による運送を行うために必要な自動運行装置の設定の状況に関する確認の結果
(11)運行管理者が運転者等に対し伝える指示事項
(12)運行管理者が、当該運転者等が事業用自動車の運行の業務に従事することができないと判断した場合の理由及び代替措置の内容
(13)運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車内、待合所、宿泊施設その他これらに類する場所において遠隔点呼を行う場合にあっては、運転者等が点呼を受けた場所
(14)その他必要な事項
ロ 業務後の遠隔点呼に係る事項
(1)遠隔点呼を行った者の氏名
(2)遠隔点呼を受けた運転者等の氏名
(3)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる記号、番号等
(4)遠隔点呼の日時
(5)点呼の方法
(6)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器による測定結果及び酒気帯びの有無
(7)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器使用時の静止画又は動画
(8)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況
(9)交替する運転者等に対する通告
(10)運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車内、待合所、宿泊施設その他これらに類する場所において遠隔点呼を行う場合にあっては、運転者等が点呼を受けた場所
(11)その他必要な事項
ハ 旅客自動車運送事業運輸規則第二十四条第三項の規定による業務途中の遠隔点呼に係る事項
(1)遠隔点呼を行った者の氏名
(2)遠隔点呼を受けた運転者等の氏名
(3)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる記号、番号等
(4)遠隔点呼の日時
(5)点呼の方法
(6)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況
(7)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者の疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無についての確認の結果
(8)運行管理者が運転者等に対し伝える指示事項
(9)運転者等が点呼を受けた場所
(10)その他必要な事項
ニ 貨物自動車運送事業輸送安全規則第七条第三項の規定による業務途中の遠隔点呼に係る事項
(1)遠隔点呼を行った者の氏名
(2)遠隔点呼を受けた運転者等の氏名
(3)遠隔点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる記号、番号等
(4)遠隔点呼の日時
(5)点呼の方法
(6)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器による測定結果及び酒気帯びの有無
(7)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者のアルコール検知器使用時の静止画又は動画
(8)運転者にあっては、遠隔点呼を受けた運転者の疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無についての確認の結果
(9)運行管理者が運転者等に対し伝える指示事項
(10)運転者等が点呼を受けた場所
(11)その他必要な事項
- 9. 遠隔点呼機器の故障が発生した場合、故障発生日時及び故障内容を電磁的方法により記録し、その記録を一年間保存する機能を有すること
- 10. 電磁的方法により記録された項目八に掲げる事項及び項目九の記録の修正若しくは消去ができないこと又は電磁的方法により記録された項目八に掲げる事項及び項目九の記録が修正された場合においては修正前の情報が保存され、かつ、消去ができない機能を有すること
- 11. 電磁的方法により記録された項目八(イ(7)、ロ(7)及びニ(7)を除く。)に掲げる事項及び項目九の記録について、遠隔点呼機器に保存された情報をCSV形式で、電磁的記録として出力する機能を有すること
2. 施設・環境が満たすべき要件
貸切バス事業者における遠隔点呼の施設要件は以下の通りです。
- 1. 遠隔点呼を行う運行管理者が映像と音声で運転者の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病や疲労などを随時明瞭に確認できる環境照度が確保された場所であること
- 2. なりすまし防止や遠隔点呼実施場所の確認のため、運転者の全身を遠隔点呼の実施中に随時明瞭に確認できるビデオカメラ等の撮影機器が設置されていること
- 3. 遠隔点呼が途絶えない安定した通信環境が整っていること
- 4. 運行管理者と運転者間の通話が妨げられない適切な通話環境が確保されていること
- 5. 点呼を受ける運転者は、自社営業所、車庫、完全子会社の営業所、運行業務に係る車内、待合所、宿泊施設など、事業者が定めた適切な場所にいることが映像で確認されること
あさレポでは、施設・環境が満たすべき要件を以下の方法で適合します
- 1. 遠隔点呼を行う運行管理者が映像と音声で運転者の顔の表情、全身、酒気帯びの有無、疾病や疲労などを随時明瞭に確認できる環境照度が確保された場所であること
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- ビデオ点呼(管理画面)
- 2. なりすまし防止や遠隔点呼実施場所の確認のため、運転者の全身を遠隔点呼の実施中に随時明瞭に確認できるビデオカメラ等の撮影機器が設置されていること
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- ビデオ点呼(管理画面)
- 3. 遠隔点呼が途絶えない安定した通信環境が整っていること
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- あさレポアプリ(スマホの通信を利用)
- 4. 運行管理者と運転者間の通話が妨げられない適切な通話環境が確保されていること
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- あさレポアプリ(スマホの通信を利用)
- 5. 点呼を受ける運転者は、自社営業所、車庫、完全子会社の営業所、運行業務に係る車内、待合所、宿泊施設など、事業者が定めた適切な場所にいることが映像で確認されること
上記要件を「あさレポ」は以下の方法で適合します
- ビデオ点呼(管理画面)
3. 運用上の遵守事項
貸切バスの遠隔点呼における主な運用上の遵守事項は以下の通りです
- 運行管理者は現地の地理情報や道路交通情報など必要な情報を把握すること
- 遠隔点呼を初めて行う面識のない運転者に対して、事前に対面またはオンラインで面談し、顔の表情、健康状態、適性診断結果などを確認すること
- 運行中の車両の位置把握に努め、遠隔点呼を確実に行うこと
- 運転者の携行品(アルコール検知器など)の保持状況や返却状況を確認すること
- 乗務不可と判断した場合は、速やかに運転者所属営業所の運行管理者に連絡し、代替運転者の手配など代替措置を講じられる体制を整備すること
- 遠隔点呼機器の故障などに備え、対面点呼などの代替手段を用意しておくこと
- グループ企業間で遠隔点呼を実施する場合は、必要に応じて情報管理に関する契約を締結すること
- 個人情報を扱う場合は運転者の同意を得ること
- 遠隔点呼の実施内容を運行管理規程に明記し、関係者に周知すること
- 点呼時には運転者が指定された場所にいることを映像で確認すること
これらの遵守事項は、貸切バスにおいて安全で確実な遠隔点呼運用を実現するために必要なものです。
遠隔点呼に必要な設備を導入するだけでなく、それを正しく運用していくことが求められます
チェックシートのダウンロード
遠隔点呼申請時の申請書・届出書作成時のご参考資料に以下をご利用ください
以下より「あさレポ」を使用して遠隔点呼を申請する場合の要件チェックリスト(機器・システム)をダウンロードいただけます
ダウンロード
その他の遠隔点呼に関する情報は、国土交通省の「運行管理高度化検討会」に情報が整理されています。
あわせてご参照ください
国土交通省 運行管理高度化ワーキンググループhttps://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html
※上記ページの中断あたりにある「遠隔点呼、自動点呼の実施に関する情報」の項に
提出資料の書式が掲載されています
